モノクロの世界

朝4時前、久しぶりに金縛りにあった。いつもよりも40分くらい早い時間で、どのくらいぶりだろうか。内容を忘れない内にここに書き留めておく事にする。
目を覚ますとうちに大男が入り込んでいて、その大男は河本先輩というらしい。その大男に胸から上を押さえつけられて、危機感を感じて抵抗すると目が覚めた。しかし、この時、部屋の様子がおかしい。起き上がって窓を調べると、普段開いていないところが開いていて、鍵をかけてもかけてもかからない。おかしいぞと、横で寝ている妻に語り、電気をつけようとすると電気もつかない。その後何故か引き出しからネギを取り出し、茹でるのだけど、そのネギを食べた途端、またあの大男が現れ、ベッドから起きていたはずの僕はまたベッドに横になっていた。大男の力は次第に強くなり、流石に苦しくなってきたのでその大男の腕を掴み、自分の顔の上に持ち上げると、腕は透明で見ることができない。そうか、まだ目を覚ましていなかったのか。しかし、あまりにリアルな景色に、どうやったら目覚めるのかわからないくらいだった。いい加減にしろ!と心の中で叫んだ瞬間、目が覚めた。その時の覚め方は、見慣れたベッドからの景色から薄い幕が剥がされるような感じだった。金縛りや夢は脳の仕業だと聞く。自分の体が自由に動かせる事を確認して、
漸く本当に目が覚めた事に気がつく。あまりにはっきりした出来事だったので、ベッドの上で正座しながらしばらく起きて考える。4時を回ったあたり。部屋の中はモノクロ写真の様に白と黒だけの世界。ああ、そうか白黒の世界は夜にはあるのか。生まれてからモノクロはフィルムや写真でしか見たことがなかったけれど、夜になれば、窓の外の月明かりか、玄関の外の天井の蛍光灯の白色が、すりガラスの窓に差し込むだけの明かりで、モノクロの世界を作り出すのだ。何という美しい世界。白と黒だけなのに、部屋中の物が何なのかわかる程の多彩な色。しかし、金縛りというイタズラ好きの私の脳とはもう41年の付き合いになるけれど、悪ふざけが過ぎる。今度注意しておかねば。

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